米軍基地負担に関する意見書提出

12月議会では、日本共産党市議団の長尾達也議員、無所属の松本煕議員(社民党県連代表)とともに、「全国知事会の『米軍基地負担に関する提言』の実現を求める意見書」案を議員提案しました。

 これは、昨年7月の全国知事会が全会一致で採択した「提言」の内容を早期に実現するよう政府に求めるものです。

関連の2018年7月28日付琉球新報記事はこちらへ

https://ryukyushimpo.jp/news/entry-770348.html

 

 

全国の地方議会でこの動きが広がってます。米軍機の低空飛行の被害もある鳥取県、イベントや共同訓練時に米軍機が飛来している美保基地を有する境港市でもこれを後押ししようと、提案しました。

 意見書案は全国知事会の「提言」の内容に沿ったものにしました。自民クラブ、公明党の会派以外の多数の賛成を得て可決し、意見書を送付していただきました。

 

全国知事会の「米軍基地負担に関する提言」の実現を求める意見書

全国知事会は、平成2811月に「米軍基地負担に関する研究会」を設置し、日米安全保障体制と日本を取り巻く課題、米軍基地負担の現状と負担軽減及び日米地位協定をテーマに、資料に基づき意見交換を行うとともに、有識者からのヒアリングを行うなど、共通理解を深め、今年7月の全国知事会議において、「米軍基地負担に関する提言」を決定した。

 「提言」は、①米軍基地の存在が、航空機騒音、米軍人等による事件・事故、環境問題等により、基地周辺住民の安全安心を脅かし、基地所在自治体に過大な負担を強いている側面があること、②基地周辺以外においても艦載機やヘリコプターによる飛行訓練等が実施されており、騒音被害や事故に対する住民の不安もあり、訓練ルートや訓練が行われる時期・内容などについて、関係の自治体への事前説明・通告が求められていること、③これまで米軍基地の返還等が進んでいるが、沖縄県における米軍専用施設の基地面積割合は全国の7割を占め、依然として極めて高いこと、④日米地位協定は、1960年の締結以来一度も改定されておらず、補足協定等により運用改善が図られているものの、国内法の適用や自治体の基地立入権がないなど我が国にとって、依然として十分とは言えない現況であること、⑤沖縄県の例では、県経済に占める基地関連収入は復帰時に比べ大幅に低下し、返還後の跡地利用に伴う経済効果は基地経済を大きく上回るものとなっており、経済効果の面からも、更なる基地の返還等が求められていること、といった米軍基地負担の現状や改善すべき課題を確認している。

 47都道府県知事が、「各自治体住民の生活に直結する重要な問題」として、米軍基地負担の現状や改善すべき課題について共通理解を深め、米軍基地の負担軽減や日米地位協定の抜本的な見直し等に関する提言を決定したことは、極めて重いものである。日本と同様にアメリカと地位協定を結ぶドイツ、イタリアともに、過去の米軍機の事故をきっかけとした国民世論の高まりを背景に、地位協定の改定や新たな協定の締結交渉に臨み、それを実現させている。

 美保飛行場へ米軍機の飛来が過去も実施され、鳥取県内では米軍機による低空飛行が目撃されている。市民の安全を守るためにも、日米地位協定の見直しが必要である。

 ついては、国において、国民の生命・財産や領土・領海等を守る立場からも、全国知事会の「米軍基地負担に関する提言」が提起している下記の事項について、一層積極的に取り組まれ実現を図るよう強く求める。

1 米軍機による低空飛行訓練等については、国の責任で騒音測定器を増やすなど必要な実態調査を行うとともに、訓練ルートや訓練が行われる時期について速やかな事前情報提供を必ず行い、関係自治体や地域住民の不安を払拭した上で実施されるよう、十分な配慮を行うこと。

2 日米地位協定を抜本的に見直し、航空法や環境法令などの国内法を原則として米軍にも適用させることや、事件・事故時の自治体職員の迅速かつ円滑な立入りの保障などを明記すること。

3 米軍人等による事件・事故に対し、具体的かつ実効的な防止策を提示し、継続的に取組を進めること。

また、飛行場周辺における航空機騒音規制措置については、周辺住民の実質的な負担軽減が図られるための運用を行うとともに、同措置の実施に伴う効果について検証を行うこと。

4 施設ごとに必要性や使用状況等を点検した上で、基地の整理・縮小・返還を積極的に促進すること。

 

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。