キャンペーンと現実をどうみるか

昨日から今日にかけて、キャンペーンがはられていることに対して、その内容についてリテラシー(適切に理解・解釈・分析し、改めて記述・表現すること)をもって向き合わないといけないなーと思うことが続けてありました。

 

最初は、昨日10月12日、鳥取県配偶者等に対する暴力防止関係機関連絡会で講演された、琉球大学教育学部研究科の上間陽子教授のお話。自身の出身地である沖縄の少女たちによりそい、その実態をとことん調査している上間教授、学校が子どもを追い出すようなことをしてはならないと繰り返し語っておられました。そして、全国学力テストのあと沖縄県ではられた「早寝早起き朝ごはん」キャンペーンについて、「学力と生活習慣には相関はあるが因果関係があるわけではない、生活習慣が身につけられない家庭環境の子どもに、そんなキャンペーン強調されたら、その子たちは萎縮してしまうのではないかととても心配している」と語られました。ただでさえ自尊感情の低い子たち、「早寝早起きもできない、朝ごはんも食べられない私はダメな子」「朝ごはんも作れないウチの親はダメな親」「食べてなくても食べたと言おう」「食べてないから学校行くのヤダ」など、自尊心の低さを強化してしまうのではないか。現場の先生方は子どもたち一人一人を見て、そんなふうに思わせないように、最大限の配慮をしておられることと思いますが、ドロップアウトする子どもをたくさん見てきた方の厳しい警鐘だと思います。

 次、昨日、ある方から、家事の分担とか安田さんちはどう?と尋ねられて、「うちはほとんどの家事を私がやっている」と答えたら、「男女共同参画の時代だし、うちは分担してるよ」と切り返されて「うらやましいけど、家庭の事情はいろいろなんです。夫はいずれ単身赴任になるから、今のうちにと私に甘えているんです」と苦しまぎれながら我が家のあり様をお話しすることに。男女共同参画社会、男女平等は社会としては実現していくことではあるけれど、各家庭ではDVの関係でなければ様々な在り方があって当然だと思います。極端な話、DVの関係だとしても、本人たちがそれでいいと言うのであれば強制的に別れさせることもできません。子どもを産む、産まないも個人やその家族の考え方が尊重されるべきことです。そこに介入したり、強制力を感じさせるキャンペーンになってはいけませんね。

 そして、今日、島根大学の毎熊浩一準教授のFBの投稿を見て感じたこと。独断で要約しますので、毎熊先生の本意と違っていたらごめんなさい。「どのようにしたらふるさと島根が住みたい、働きたい、学びたいまちになるのかを探求している中学生から『お子さんには島根に残ってほしいと思うか?』と尋ねられ、『ノー』と即答。娘の選択ならどこに行こうが構いません』親としては当たり前」「社会問題、人口減対策を考えるとき、等閑視(ないがしろに:安田注)されてんじゃないか、この点を忘れて策を弄しても、という気がします。例えば教育って、本来『地方創生』の手段じゃないはず」

 これも、「住みよいまちに」ということと、このまちに住むかどうかの選択は別問題。憲法で保障された居住移転の自由、職業選択の自由は誰も侵害することはできません。

 

 なんとなく共通する問題があるような気がして書き留めておきました。